VALUES
フレキシブルでありたい目的は「改善しやすい建物」にしたいからです。
「改善」とはリノベーションだと考えています。
例えば、改善しなくて済む仕事など存在するでしょうか?仕事は考え、実行し、反省して、改善策を考えまた実行の繰り返しです。そのほか車も、発売からしばくするとマイナーチェンジしてフルモデルチェンジするなど、全ての物やサービスには「改善」することが必要です。
住宅への投資は大きいので長期間に渡ってとなりますが、住宅にも改善(リノベーション)する時がくるという考え方が自然なのです。
一方で、メンテナンスフリーの商材が複数存在しますが、それらの寿命とは全く関係なく改善(リノベーション)に至るきっかけが住まい手に何度も訪れるのです。
既存の建物を考慮しながら改善(リノベーション)していくことは、時と場合によって新築を計画するより難しいこともあります。
いざと言うときの備えとして、やはり「直しやすい、変更しやすい」ことが一番重要ではないでしょうか。
皆さんはリフォーム・リノベーションと聞くと、老朽化でボロボロになったから直すという印象をお持ちではないでしょうか。このような印象が強いため、メンテナンスフリーの商材が注目されるのでしょう。
しかし、これまで多くの改善(リノベーション)に携わってきましたが、不思議なくらい老朽化でボロボロになったから直す、という方は少ないのです。
では、どのような方が改善(リノベーション)するのかというと、家事をもっと楽に、住まいをもっと快適に、など暮らしの水準を高めたい人、またそれを実行できる資金力のある方です。
そして改善(リノベーション)に至るきっかけは人によって様々です。
テレワークなど職場環境に変化があったとき、子供が自立したとき、親を迎え同居するとき、ゆとりができたので趣味の空間をつくるとき、知人宅の新しいキッチンを見て刺激を受けたとき、夫婦別々の寝室が欲しくなっとき、子供の勉強スペースをつくろうと思ったとき、挙げればきりがありません。
「改善したい」という前向きな行為がリノベーションであって、リノベーションはメンテナンスの延長線上ではありません。純粋に改善(リノベーション)したいからするのです。
建道で新築を建てたお客様に私の親戚などは一軒もなく、大手、中小問わず、 多くの情報から建道を探し出して下さった方たちです。
そのため建物や暮らしに無頓着の方はいないと思っています。
きっと何かのきっかけがあればリノベーションをしたくなる住まい手だと 想像します。
私が安全で直しやすく、最もフレキシブルな構造・工法として採用しているのは木造軸組み工法です。柱を設けるスパン、柱の太さ、梁の大きさ、耐力壁の設け方など、どの会社も共通のルールに従って建築するので、建築に関わる人間が図面や現状を確認すれば、大部分を理解できるオープン工法なのです。誰が見てもここまで分かりやすい工法は他に存在しません。
フレキシブルであるためには、物理的な側面だけでなく、理論的にも分かり易いことが絶対条件だと考えています。
また、この工法に使用される材料や商材は豊富で、誰でも手に入ることが大きなメリットです。建道の注文住宅も耐震性能(許容応力度計算による等級3)・断熱性能(UA値0.27~0.34)・気密性能(C値0.1~0.5)など高い水準の注文住宅を建築しておりますが、特別なものは一切使用しておりません。誰でも手に入る材料や商材だけで、超高性能な注文住宅がつくれることを実証しています。
目新しい商材が良く思えますが、数十年住み続ける住宅にとって手に入りやすい商材(定番商品)でつくることが、改善(リノベーション)しやすい建物になるのです
その他、耐久性や仕様なども含め「安心・安全・快適に過ごすための性能」をご確認ください。
間取りは構造とセットで考えています。どのような間取りにするかではなく、間取りを考える時のルールとして、出来るだけ「壁」を少なく設計することを心掛けています。
間取りとしては「開放的な空間」になるので好みや価値観にも影響しますが、新築時になるべく少ない壁量で耐震性能を審査することは、不利な状態で審査を受けていることになります。
そのため、後にリノベーションで間仕切り壁をつくり個室を設けた場合、基本的には壁量が増え構造は安全な方向になるのです。
また、何かを壊してつくり変えるより、何もない空間に何かをつくる方がフレキシブルな対応ができることは想像できると思います。
建道の注文住宅はフレキシブルな「構造」「間取り」であることがコンセプトです。
また子供部屋などの個室は、必要になったら壁を設けてつくることをおすすめしているので間取りは開放的になることが特徴です。
ある意味で開放的な空間とは、未完成とも言えるでしょう。
新築時はあえて未完成にしておくことが、想像できない未来への対策に繋がると考えています。
このような価値観は、多くの方のリノベーションに携わってきた、私独自の感性かもしれません。