2019.07.31
平屋と2階建て、コスト(費用)にどのくらい差があるの?
2階建てと平屋で悩む方が多い
一級建築士の鈴木です。
弊社のモデルハウスが平屋のため、相談の多くは平屋の新築です。
しかし、皆さんが最初から迷わず平屋にしているわけではありません。
「平屋か2階建てか迷っている・・・」
「平屋と2階建てでは、費用にどのくらい差があるの?」
「平屋と2階建て、それぞれのメリット・デメリットは?」
という声も。
今回は見学会など、お客様と直接話をして一番質問が多く、関心が高いと感じた
「平屋と2階建て、コスト(費用)にどのくらい差があるの?」という質問について、
違いなどを書いてみようと思います。
あらかじめお伝えしますが、
この内容は平屋と2階建てを比較したとき、平屋のデメリットにもなってしまいます。
ですが勘違いしないでください。
私は自宅の新築も平屋にするほど、平屋が好きです!
これからお伝えすることを理解して、皆さんの適切な判断につながれば幸いです。
平屋と2階建て、コスト(費用)にどのくらい差があるの?
結論からお伝えすると
「建築費用」は20%前後の差額で、平屋のほうが高くなります。
理由1⃣
例えば同じ40坪の家でも、平屋と総2階建てでは基礎工事費用と屋根工事費用は2倍の差額になる!
左の箱を使って、
平屋の40坪と総2階建ての40坪、
それぞれの建物をイメージしてみましょう。
箱は一つで5坪の床面積です。
1階 : 5坪×4つ=20坪
2階 : 5坪×4つ=20坪
総床面積 : 40坪
平屋の40坪の建物は
1階 : 5坪×8つ=40坪
総床面積 : 40坪
どちらも同じ40坪の建物ができました!
次は、それぞれに基礎と屋根を作ってみましょう。
このように、40坪の総2階建てと平屋では、基礎工事も屋根工事も2倍の面積になっています。
コストについては、面積の大小に影響されない項目があるものの、ほぼ倍になると思って良いでしょう。
この屋根工事と基礎工事の差額が、平屋が割高になる大きな理由の一つです。
理由2⃣
平屋は2階建てと比べ、断熱・気密工事も大幅に増額する!
気密工事とは、なるべく隙間ができないように、密閉性を高める工事のことです。
例えば、同じ40坪の建物の場合、平屋は屋根や基礎の面積が総2階建ての2倍になることはご理解いただけましたね。
ということは
天井や屋根に施す断熱材やその施工費、また、床や基礎に施す断熱材やその施工費も2倍になるのです。
夏の暑さ対策には天井や屋根の断熱性能向上がポイント!
平屋は特に天井や屋根の断熱性能に妥協してしまうと
「快適な新居生活のハズだったのに・・・。」
と後悔してしまう可能性があるのです。
皆さんも経験ありませんか?
サウナに入っているような2階の夏の暑さを。
以前住んでいた家は、父がハウスメーカーで建てた築27年の建物です。
もちろん当時は断熱や気密に意識が低く、暑くて寒い家ばかり。
エアコンを止めて外出から戻り2階に上がると「ここはサウナか?」と思うほど
もんもんとしている・・・。
この対策に重要なのが
天井や屋根の断熱性能と気密性能を高めることです。夏の太陽は約78度の高度ですから、ほぼ真上から長時間、頭を照らされているようなものですね。
そこで、想像してみてください。
天井や屋根の断熱材が中途半端な平屋は、数十年前の建物と同じとまでは言いませんが、家中どこにいても2階のような熱気を感じる、逃げ場のない建物になってしまうことも。
ですから私は、平屋の天井や屋根の断熱性能は少し過剰に設計します。
施工面積が大きい分、コストもUPしますが、快適性を考えると妥協してはいけないポイントの一つです!
次は、暖房をつけていても、足元が常に寒く感じる冬。
足元の寒さ対策に欠かせないのが、
床や基礎の断熱性能と気密性能の向上です!
特に女性は冷え性の方も多いのではないでしょうか。
ママになると日が出る前から起きて
寒いキッチンで朝食やお弁当の準備
そして、寒い洗面脱衣室では洗濯
さらに子供の学校の支度など、本当に朝から大忙しです。
個人差はあるものの、ママがキッチンに立つ時間は1日平均4時間という説も。
ママって凄いです!
そんなママのためにも、底冷えするような足元の寒さ対策はしっかりしておきたいものです。
ですから私は、天井・屋根と同様に、床や基礎の断熱性能も少し過剰に設計します。
やはり施工面積が大きい分、コストもUPしますが、
妥協してはいけないポイントの一つです!
本来は断熱・気密性能の分野についてふれると、
もっとお話しなければいけないことも多くあります。
しかし、平屋と2階建てのコストの違いについてのテーマなのでここではあえて触れないようにします。
夏と冬、それぞれ異なる場所への対策が必要なってしまい、コストも気になるところ
ですが、中途半端が一番損をします。
しっかり対策することをおすすめします!
しかし、コストが膨らむ話ばかりではありません。
断熱・気密性能を高めれば、冷暖房の効率も高くなるということです。
その結果、暮らしはじめてからの光熱費を抑える効果が得られるのです!
住宅ローンとランニングコスト(光熱費)の両面で検討してみてはいかがでしょうか。
理由3⃣
平屋と2階建てを比べると、平屋は広い土地が必要になる
そのため、土地の購入費用も増額傾向
平屋で最も注意しなければいけないのが、
周辺環境を考慮した土地に対する建物の配置計画です。
狭い土地でも、日当たりが欲しい部屋とあまり必要としない部屋などを区別し、
建築プランを工夫することで平屋を計画することも充分可能です。
しかし、建築プランで対応が難しいと判断せざるを得ない土地も多く存在します。
その場合はやはり、希望のエリアで広い土地を探すことになりますから、
土地の購入費用も増額傾向になってしまいます。
建築費用の約20%UPに加え、土地購入費用も増額する可能性があるので注意が必要です。
ほとんどの方は初期段階で事前審査を行い、自分が組めるローンの総額や
無理のない月々の返済額をもとに、土地と建物にかける金額の配分をイメージしています。
この予算内でバランス良く、土地建物の計画がすすめられればベストです。
しかし、そうならない場合は、通勤・通学やお買い物など立地を優先するのか、
平屋での生活を優先するため少し中心部から離れた土地を探すかなどの検討がはじまります。
非常に悩む方も少なくないので、平屋は特に資金計画をしっかりおこないましょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
コストを考えてしまうと、やはり平屋は割高になる傾向です。
しかし、平屋には平屋ならではの良さがありますよね。
平屋の暮らしについて、主婦目線からの平屋生活ブログでUPしていますのでご覧ください
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30代40代の平屋の間取り失敗と後悔
平屋を建てた40代主婦のブログ
主婦目線で考える『憧れの平屋生活』そのメリットとデメリットって
住まいのことでお悩みの方は、
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私の自宅が平屋であることは、最初にお伝えしました。
「何をするにも楽!」という感じで、平屋の良さを実感しています。
以前は2階の寝室から1階に降りて、洗面室で顔を洗って歯を磨き、支度の為また2階に上がる。
家事は任せっきりの私でさえ、1階と2階を何度か往復しますから、ママ(主婦)はもっと大変です。
自宅は間仕切りが少ないオープンな空間ですが、そこで家族5人が暮らしてます。
リビングからは全体を見渡せるので、裏を返すと来客があるときは片付けも必要です。
でも、物があっても雑多な印象にならい工夫、見せない工夫もしました!
妻も私の会社で仕事をしていますから、なるべく掃除片付けが楽になればと(笑)
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