2020.07.21
失敗しない平屋住宅!平屋を建てる時に後悔しがちなポイント10を知っておこう
平屋住宅が人気を博しており、工務店やハウスメーカーで平屋住宅を扱うことも増えてきています。
特に2020年現在は、新型コロナウイルスの流行によって、仕事や学校、生活のすべてに大きな変化が訪れました。
学校は長い地域で3ヶ月前後休校となり、仕事もリモートワークを選択する人が出てきました。
家族そろって家の中で過ごす時間が、圧倒的に多くなったのです。
その結果、夢だったマイホームをこれを機に建てて「おうち時間」を充実させたいと、家づくり前の方々が考えるようになりました。
新築物件が増えれば、注目されている平屋住宅も増えます。
しかし焦って、よく検討せずに家を建ててしまい、
住み始めてからポツポツと不満や不便さが出てきて、結局後悔…というケースも耳にします。
そこで、平屋住宅を建てるにあたり、後悔しがちなポイントを10点、対処法・対策とともにご紹介します。
1.水害への対策
平成の後期くらいの時期から、毎年のように大きな災害が日本の各地を襲っています。
特に、梅雨前線やゲリラ豪雨、台風による水害は目に見えて増えてきていると感じる方も多いのではないでしょうか。
あっという間に家の1階まで水が上がってしまうような、急激な水害も起きています。
水害の様子をニュースで見て「なぜ2階家を建てなかったのだろう」と後悔する方もいるようです。
対策:事前に役所でハザードマップを確認!担当課に相談
水害への対策として、平屋住宅を建てるのであればできるだけ高台になる土地、そして土砂災害の危険もない場所を選ぶことが重要です。
水害のリスクは、土地を目で見て分かるものではありません。
土地を購入するまえに、必ず役所へ出かけて水害系ハザードマップを確認しましょう。
担当課は市区町村によって異なります。
例えば、
・防災対策課
・土木課
・防災課
・河川課
・生活安全課
といった担当課になっています。
それ以外の課で取り扱っている市区町村も存在します。
役所には相談窓口があるので、ハザードマップについて詳しく話を聞きたい旨を伝え、対応してくれる課に通してもらいましょう。
対策課では、以下を質問することをおすすめします。
・水害・土砂災害・地震災害のハザードマップの最新版をそれぞれもらう ・ハザードマップ最新版がいつ作成されたものかを確認する ・ここ数年で、実際に災害が発生した土地があれば詳しく教えてもらう |
できればハザードマップをしっかり確認してから、土地探しをはじめましょう。
同じ市区町村、県内で育った方であれば、高齢者の方から土地に関する昔ばなしを聴くことは、非常に有意義です。
現在オシャレな宅地に開発されている土地が、 代々近隣の人々から「あそこは水が溜まる土地だから、家は建ててはいけない」と言い伝えられているケースもあります。 |
2.家事動線・生活動線をきちんと考えるべきだった
家事動線・生活動線という言葉は、家づくりの中でとても多く耳にし、目にする言葉です。
家事動線は家事を主に行う主婦・主夫の方や、共働き世帯のご夫妻が、掃除や洗濯、料理などの家事を行うときの移動ラインのことです。
生活動線とは、家族が生活をするうえの移動ラインです。
家事動線を考えずに家を建てると、料理や洗濯、掃除などで無駄な動きが増え、時間がかかり家事がおっくうになってしまいます。
生活動線を考えずに家を建てると、朝の忙しい時間に家族が洗面所で大渋滞を起こしたり、
やっと寝かしつけた赤ちゃんを帰宅したパパが起こす、などのトラブルが起きます。
もっと困るケースは、家事動線と生活動線がこんがらがってしまい、
家族がしょっちゅう体をぶつけるなどのストレスが溜まるという状態です。
対策:今住んでいる賃貸や実家を基準に、家事動線・生活動線を見直す
家事動線や生活動線を考えずに家を建て、ストレスを溜めないようにするには、建てる前から家事動線や生活動線を意識することがポイントです。
今住んでいる賃貸住宅や、夫婦お互いの実家を基準として、家事動線や生活動線の略図を書いてみると分かりやすくなります。
弊社では家族が渋滞を起こしにくい生活動線の家、家事が負担になりにくい家事動線の家など、さまざまな例をご紹介いたします。
3.採光が理想通りにいかず家の中が暗い
平屋住宅に限らず、採光は土地の向きや周囲の建物の高さ、季節や時間による太陽の動きなどを考慮して算出します。
間取りによっては、廊下にひとつも窓が無く、昼間でもライトが必要ということになりかねません。
玄関が暗い住宅も、なんとなく陰気なイメージになってしまうものです。
対策:工務店の建築士とよく話し合って採光を考えた間取りに
土地がすでにある場合は、どの向きに玄関を置いて間取りを組んでいくかを、工務店の建築士と十分に話し合うことで解決していきます。
また土地探しからスタートする場合は、工務店に
「明るい平屋住宅を建てたいので、合った土地を探してほしい」という依頼をするとよいでしょう。
建築士から間取りの提案が上がってきても、不安に感じる場合は「ここは窓が無いけれど、昼間はどこから光が入るの?」など、どんどん質問してください。
住宅の壁は強度の関係で設置できる窓の面積や数が決まっています。
決められた数と面積の中で、効率よく家の中を明るくできる方法を、プロと考えていくことをおすすめします。
4.収納とフリースペースのバランスが取れていない
平屋住宅というと「狭くて収納が足りない」というイメージがあるのか、収納スペースを多く作って欲しい、という注文も入ります。
しかしすべての住宅には面積に限りがあるため、収納スペースを多く取りすぎてしまうと、
その分生活するためのスペースやフリースペースが狭くなります。
また収納が多いと物を詰め込みがちになり、結局捨てられない荷物が増えることにつながります。
対策:新築前に荷物整理と断捨離を
家を新築する前に、引っ越し準備のつもりでまずは家にある荷物の整理をしましょう。
荷物を一度整理してみると、いつのものかも分からないお土産の工芸品や、買って一度も着ていない服などが出てきたりします。
そういったものは、潔く断捨離しましょう。
荷物が多いほど引っ越し料金も高くなるので、この機に荷物を整理し、不要なものは捨てたりリサイクルショップに売ったりする方がお得です。
家族に必要な分の荷物量を知ることで、収納の適切な大きさも分かります。
5.防犯面や外からの視線に不安がある
1階スペースで全員が寝起きし生活する平屋住宅。
ときに防犯面や近所からの視線、のぞき行為などが不安に思えてしまうこともあります。
2階のある家など、上からのぞきこまれるのではないかと感じることもあるようです。
対策:防犯の観点から不安がある場合は、雨戸を設置する
防犯に不安がある場合は、窓に雨戸を設置すると良いでしょう。
また夜間センサーで点灯するライトや、人が乗ると大きな音を立ててきしむ防犯砂利を敷き詰めるなどの方法もあります。
家の広さにもよりますが、中庭を作れば人目を気にせずに自由な時間が過ごせます。
またレースカーテンは遮像カーテンやミラーレスカーテンなど、夜間でも屋内が見えにくいものを選ぶと良いでしょう。
6.間取りを詰め込みすぎて変化に対応できない
家族は変化してゆきます。
子どもが生まれたり、成長して巣立っていったりして人数が変化します。
高齢になった親を引き取ることもあるでしょう。
子どもが親となり、同居することもあり得ます。
家を建てる時点で同居している家族が、固定人数ではありません。
今の人数に合わせて子ども部屋などをきっちり作ってしまうと、後々部屋が余ったり、足りなくなったりするかもしれません。
平屋住宅は、ロフトやスキップフロアを設けることはできます。
しかし2階建ての家とは違い、完全に上下で生活スペースを分けることは不可能です。
可変性のないきっちりとした間取りは、完璧なように見えて、実は窮屈な間取りになっているかもしれません。
対策:間取りはある程度希望をまとめ、モデルハウス見学や工務店との相談をする
工務店を訪れる前に、間取りを決めておく必要はありません。
いろいろなモデルハウスを訪れて、工夫の行き届いた今どきの間取りを見学してみてください。
弊社自慢のモデルハウスは平屋住宅です。
きっと、ご希望を叶える間取りのヒントが見つかるのではないでしょうか。
また、ある程度の希望を家族で取りまとめてから、工務店との相談を始めるとスムーズです。
子ども達にも希望を聞き、夫婦でじっくりと話し合い、親兄弟にも将来の話をしてみましょう。
未来の家族のかたちがぼんやりとでも見えてくるかもしれません。
特に何度でも話をしていただきたいのは、ご夫婦それぞれが間取りをどう考えておられるのか、ということです。
この時に話し合うべき内容は「どんな間取りが夢か」ではありません。
「自分は、家族がどう変化していく可能性があると考えているか」ということです。
自分自身や子どもの将来、両家の親の行く末など、これからの時間に起こりうる「家族の変化」について、いろいろな可能性を出し合ってみましょう。
ご夫婦の間で話し合いの時間を作って、できるだけ対等に意見を交換し合ってからご来訪ください。
家族のお話合いの結果がまとまっていない状態で結構です。
お話合いの続きを、弊社スタッフがともに模索させていただきます。
7.風通しが思ったよりも悪かった
日本は湿度の高い国です。
栃木県は冬場乾燥しますが、夏場は夕立もよく通り、湿度はぐっと高くなります。
そんな環境下に家を建てるのであれば、湿気を逃がすための風通しは非常に重要な課題です。
日本では高床式の倉庫や校倉造りなど、はるか昔から湿気に打ち勝つための工法を考え出して来ました。
風通しは、窓をどの位置に設置し、開閉するかによって大きく変化します。
よく採用されるのは、対角線上に窓を置いて風を通す方法です。
風通しを考えて各部屋に窓を設置し、ドアを開ければ風が通るように間取りを決めても、その通りにならないこともあります。
2階家なら、共働きで留守になる家でも、2階の窓を開けて風通しをよくしておくお宅は少なくありません。
しかし平屋住宅の場合、日中留守になるお宅では、窓を開けっぱなしでお出かけすることは難しいでしょう。
また窓はあけたものの、隣家との間が狭すぎて風が通らないというケースもあります。
夕方は西側から熱風が吹き付ける家では、夏場暑くて眠ることができません。
対策:風通しを重視したい旨を建築士に伝え、さまざまなモデルハウスを見学する
モデルハウスを見学する際は、説明をしてくれるスタッフに風通しについて話を聞いておきましょう。
各社で、風通しについての研究は行われています。
「これはいいな」という案があれば、メモしておくと後で役立ちます。
また実際に間取りを決める段階に入ったら、建築士に風通しを重視したい旨を伝えてください。
防犯にすぐれた風通しの方法など、さまざまな技術をご提案させていただきます。
8.理想の間取りと購入予定の土地が合わないのに無理に建てた
理想の間取りがあったのに、購入した・購入予定の土地とは合わない場合もあります。
そんなとき、みなさまはどうされるでしょうか。
合わない土地に、理想の間取りで無理やり建てると、日照や採光・日あたり・周囲からの視線・玄関と動線の関係など、さまざまな部分にトラブルが起きる可能性があります。
対策:できるだけ土地探しから工務店に相談を
「こんな家が建てたい」「平屋住宅で、間取りはこうしたい」という希望が定まっている状態であれば、できるだけ土地探しから工務店にご相談ください。
一緒に土地探しもさせていただきます。また、土地が決まっている場合も、ぜひお話しください。
理想の間取りと土地の状態をすり合わせ、できるだけご希望にそった家となるよう、工夫を凝らすことが可能になります。
9.こだわりすぎた・こだわりを諦めすぎた
家に強いこだわりがあり、夢だった地下室やロフト、スキップフロアに暖炉と、さまざまな要素を詰め込みすぎる方もいます。
逆に「家族で住む家なのだから、自分のわがままはあまり言えない」と遠慮してしまう方もいます。
わたくし共工務店の経験から言えるのは、「こだわりすぎても、諦めすぎても後悔が残りやすい」ということです。
対策:こだわりは重要なものから順番をつけていく
家づくりにこだわりがある方は珍しくありません。
一生に一度の大買物です。
こだわりがあって当然なのです。
逆に、家族の幸せを想って、どうしてもこだわりを言い出せない方もたくさんおられます。
家族が集う「家庭」になる場所だから、自分のわがままを余計に抑えてしまいやすいのです。
まずは家族のこだわりを話し合って書き留め、重要かつより多くの家族が望んでいるこだわりから順位を決めていきます。
どうしても譲れないこだわりはできるだけ工務店と相談して入れてもらい、そうでもないこだわりは造作やDIYで後付けするという方法もあります。
こだわりに順序をつけることで、お互いが家庭や家族に抱いている希望や理想像も見えてくるかもしれません。
10.プライベート空間を作らなかった
平屋住宅ということで、あまり空間がなく、プライベート空間を作らなかったことを後悔される方もいます。
勉強はすべてダイニング、家族はみんな同じ寝室、あとは収納といったお家では、ひとりになってじっくりと考えたり、気持ちを切り替えたりする場所が確保できません。
対策:ひとりになれる空間を、せまくても確保
ひとりに1部屋をあてがわなくても大丈夫です。
1か所でも2か所でも、他の家族の眼から逃れて、ひとりでボーっとできる場所を確保しておくと良いのではないでしょうか。
誰でも、ひとりになりたいと思う時はあります。大人になるにつれて、その時間は増えていきます。
たとえば子ども部屋は、子ども達が幼いうちは大きく確保しておきます。
子どもから「プライベート空間が欲しい」と言われるようになったら、壁の増設やパーテーションで区切るという方法もあります。
ロフトやスキップフロア、パントリーなどの死角になる場所に、造作のカウンターデスクと椅子を置くという方法もあります。
ちょっと疲れたときなどに、ひとりコーヒーをすすりながらボーっと過ごす時間は、人生を豊かにするちょっとした「休み時間」なのです。
まとめ
平屋住宅を建てる上で、後悔しない家づくりをするために、平屋住宅に住んだ後に後悔しやすい10のポイントと、対策についてご紹介しました。
少しでも疑問に感じること、不安なこと、気になることがございましたら、すぐに弊社にご相談くださいませ。