工務店が建てる家の耐震性能と保証について | 建道 栃木の新築平屋・注文住宅

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工務店が建てる家の耐震性能と保証について

建道の鈴木です。

「工務店の耐震性は?」

「工務店の断熱性能は?」

「工務店の保証は?」

など、お客様の話を聞くと建物に対する不安のほとんどが建物の基本性能に
該当する内容だと感じています。この基本性能について考えると、
お客様の予算や価値観に合わせ変化させている会社も少なくないようです。

しかし、
住宅業界において私たち中小企業が建てる一棟一棟の住宅シェア率は非常に大きいのです。
詳しくは:家を建てるなら 工務店?ハウスメーカー?設計事務所?

ですから私は、
建物の基本性能は、お客様によって変わってしまうのではなく、
町や社会を重視して、一定の水準を決めるべき

と考えています。

例えば、皆さんが心配される

構造の安全性について考えてみましょう!

わかりやすいところで耐震等級というものがあります。
耐震等級は1、2、3の段階があり、3が最も耐震性に優れた建物です。

もし、弊社が建てた住宅が倒壊してしまうと、そこに住むお客様の安全はもちろん、
倒壊した建物が道路を塞ぎ、避難する方の妨げになってしまう可能性、
さらに、救助に向かう救急車の通り道さえ塞いでしまう可能性もあるのです。

このような事から、私たち中小企業が建てる一棟一棟の住宅シェアが大きい分、
町や社会を意識しなければなりません。ですから本来は、耐震等級1~3のいずれかを
選択するという考え方は出てこないはずです。

選択するべき水準は耐震等級3だけです

自社では、建物の基本性能の一つである構造の安全性について、
全ての住宅で耐震等級3であることを構造計算で確認しています。
そして耐震等級3にこだわる理由は、記憶に新しい熊本地震では、
益城町に耐震等級3の木造住宅が16棟あり、うち2棟は改修工事が必要になったものの、
16棟全て震災後も住み続けることが出来ているという調査結果があるのです。
このような実績からも、耐震等級は3にすべきと判断しています。

次に、

快適性にもつながる、断熱性能について考えてみましょう!

国は省エネ住宅を拡げていこうとしています。
地球温暖化などの環境問題やヒートショックなどによる健康問題に、
省エネ住宅が大きく影響しているからです。
省エネ住宅をつくるうえで断熱性能を高めれば、寒い・熱いといった
外気の影響を受けづらい住宅になります。そうすることで、冷暖房効率が上がり、
少ないエネルギーで部屋を暖めたり冷やしたりすることが実現できるようになるのです。

このように住宅の基本性能を高めたうえで、効率の良い給湯器や空調機、
また節水式の水栓やシャワーなどを組み合わせ、さらに自然エネルギーを
有効活用できる設計手法を用いれば、優れた省エネ住宅になるのです。

省エネ住宅と言ってもグレードがあって、みんな同じという訳ではありません。
UA値と言う言葉を聞いたことはありますか?
UA値とは、内部の熱が外に逃げてしまう熱の量を表す数値で、
小さいほど熱が逃げにくく性能が高い住宅を示します。

下図は性能をグレード別に表したものです。

 

 

 

 

 

 

自社の実績ではUA値が0.27~0.34と全てG2基準をクリアした注文住宅を、お客様からご依頼をいただき建築するができています。
同時に、どんなに高い断熱性能でも、隙間だらけの家では全く意味がありません。
新築では気密測定を行い、隙間がどのくらいあるか全棟で確認しています。
隙間を表す数値をC値と言いますが、実測値で0.3~0.5です。
皆さんには良いのか悪いのか判断が難しいですよね。
もちろんまだまだ上を目指していますが、
現状でも断熱性能・気密性能ともにかなり高性能な建物です!

実は、

省エネ住宅が義務化になる方向ではありましたが、国は“見送り”を決定しました。
理由の一つに私たち供給側の知識不足があったようです。

そのような現状ではありますが、自社はHEAT20のG1基準未満の住宅は建てないと決めています。
ですからZEHとかH28年度基準の住宅は建てないということです。

皆さんも聞いたことがあると思われるZEH(ゼッチ)。
建築会社の多くが「ZEH住宅」という表現をしていますが、
上の表を確認するとわかるように、ZEH基準をやや上回る程度では、
高性能住宅とは言えない時代なのです。
ここで皆さんにも考えて頂きたいのは、今回義務化は見送りになりましたが、

義務化になると言うことはどういうことか?

それは法律で省エネ住宅の最低限の基準が設けられ、
その基準をクリアできない住宅は建築できないことになるのです。
では

義務化が現実になったとき、どのレベルが法律で定める基準になるのか?

これは完全に主観的な意見になりますが、現在で可能性が高いのが28年度基準か
ZEH基準だと思います。法律で定める数値は最低限になりますから、義務化になると
今のZEH基準は最低限または最低限に近いに性能になってしまうと私は想像しています。

昨年、ZEH+(ゼッチプラス)という新たな基準が設けられました。
性能はG1とG2の中間にあたる高性能な基準です。
おそらく国も、ZEH基準では性能が足りないと判断しているのではないでしょうか。

しかし、
省エネ住宅も耐震等級も高い性能を基準にするとそれだけコストも膨らみます。

耐震等級1より3の方がコストは増額します。
また、耐震等級に関わらず設計で安全を確認するには構造計算しかありません。
そして計算書はもちろん、計算に基づく各種図面が作成され、その図面の通り工事をするのです。
このような構造計算費用も膨らむことになります。

さらに、省エネ住宅においては、性能によってコストは大きく異なります。
自社の試算では、G2基準をクリアする住宅を作るためには、
ZEH基準より150万~200万コストをかけないと実現できません。
例えG1基準であってもZEH基準より50万~100万程度はコストUPになるでしょう

現実的な話をすると、
私たち建築士や工務店またはハウスメーカーも、
お客様に選んでいただけなければ存続できない商売人でもあるのです。

だからと言って、目の前のお客様に気を取られてばかりではどうなるのでしょう。

お客様の予算や価値観に合わせるため構造計算を端折ったり、
今後の変化を予測しながらもZEH基準以下の住宅を提案したり、
そのお客様と自社の関係性だけを考えれば、

お客様:予算内で注文住宅が建てられて良かった!

自社 :無事に契約が頂けて良かった!

となるのでしょう。
しかしそれは、短期的なことで中長期的に考えれば答えも変わってくるのではないでしょうか。

ですから私は

建物の基本性能は、お客様によって変わってしまうのではなく、
町や社会を重視して、一定の水準を決めています。
そうすることが、結果としてお客様の安全・安心に
結び付くと考えているからです。

もちろん、定期的な見直しは必要ですね。

《最後に》
私も建築士ですが、構造について常に勉強しています。
無料のセミナーに参加するとか
そういったレベルではなく、
お金を払って授業を受けているのです。
構造の先生は木造住宅が倒壊しない
世の中にしたいと言っています。
私は現場の建築士なので、
先生たちが研究した結果を自社の一棟一棟に
反映できればと考えています。
その結果「木造住宅が倒壊しない世の中」
という夢に便乗できれば幸いです。

以上となりますが、いかがでしたしょうか?

建物の基本性能は構造や省エネ以外にもありますので、
下記を参考にしてください。

地震や風圧に対する構造の安全性

火災に対する安全性

・柱や土台など構造材の耐久性

・給水や排水など配管の清掃メンテナンスのしやすさ(維持管理・更新)

省エネ住宅(結果的に快適性も得られる)

・きれいな空気を維持するため、換気や使用する材料にも配慮する

・生活に必要な明るさや自然換気など、様々な用途が考えられるの面積

・近隣または上下のの問題対策

高齢者等への配慮

防犯対策

詳しくは、住宅性能評価「10分野のモノサシ」https://www.hyoukakyoukai.or.jp/seido/shintiku/05.html

 

 

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